人が亡くなるということ
婆ちゃんが亡くなった。
名前がなんちゃらの片隅に、の主人公と同じで
ふと年齢計算したら婆ちゃんの方が歳上だった。
あとちょっとで3桁だった。そんな大往生。
なんとなく昨日、婆ちゃんとの思い出が脳裏によぎってた。
たぶん30年くらい前。
婆ちゃんと一緒に公園に出かけて鳩に餌やってたら
偉い勢いで鳩が集まってきて怖くて泣いてしまった。
んで、婆ちゃんにおんぶされてばーちゃん家に帰った。
たぶん、それが一番古い思い出。
なんかこう、虫の知らせとかそういう奴だったのかな?とか思ったり思わなかったり。
人生で葬式には何度か出たが
目端が効く子供では無かったので何かを感じたことはあんまり無かった。
小学校くらいの時に叔母さんが亡くなった時はそんなに交流なかったし初めてだったので「遺体がなんか不気味」と思った。
中学くらいの時、爺ちゃんが亡くなった時、棺桶に釘を打つ時なんか漠然と悲しかった。
で
数年前、叔父さんが亡くなった時。その時は大人だったので多少なりとも感じることはあった。
「今まで何度も会ったし、顔を知っている人の肉体、存在がこの世から消滅してしまうんだな」という不思議な感覚になった。
別にすごく交流があったわけではないけど。悲しみとかは正直薄かったけど。変な感覚だった。
婆ちゃんはほぼ寝たきりで入院してたけど今年入ってから一回会いに行ってる。なんも反応なかったけど顔色は良かった。
今日、人は亡くなるとこんなにも顔色が白くなるのか。と驚いた。
そのあと、暫くして婆ちゃんの顔を触ったら冷たかった。
そして、硬かった。本当に亡くなったんだなと実感したし
死後硬直ってこんなにも硬くなるのか、と驚いた。
大往生と言われる歳だけど、歳に不足はないって言われる歳だけど、亡くなって良いわけじゃない。
悲しいな。なんか悲しいな。たぶん、今までで一番悲しい。ごめん爺ちゃん、中学の時はあんまりピンと来てなかったかもしれない。
今こんだけ悲しいんだから、お葬式はもっと悲しいんだろうな。悲しい。
でもまあ、そういうのも体験というか経験というか勉強というか。な、気はしてる。
婆ちゃんは、この後俺に何を体験させてくれるんだろうかな。